経済的困難に直面し、自己破産を検討している方にとって、手続きにかかる費用は大きな懸念事項となります。
しかし、自己破産の費用を一括で支払えない場合でも、分割払いの選択肢があることをご存知でしょうか？

 

この記事では、自己破産にかかる費用の内訳、分割払いの可能性、そして注意点について詳しく解説します。
経済的再建への第一歩を踏み出すために必要な情報をお届けします。

 

 

自己破産の費用概要

 

自己破産の手続きには、主に以下の費用がかかります。

 

 

1. 弁護士・司法書士への報酬
2. 裁判所への予納金
3. 書類作成や郵送費などの諸経費

 

これらの費用の総額は、通常20万円から50万円程度と言われていますが、個々の事情によって変動します。

 

 

自己破産費用の内訳

 

1. 弁護士・司法書士への報酬
- 基本報酬: 15万円〜30万円程度
- 債権者数や債務額に応じた加算金: 5万円〜20万円程度

 

2. 裁判所への予納金
- 通常6万円〜15万円程度
- 債権者数や財産状況により変動

 

3. 諸経費
- 書類作成費、郵送費など: 1万円〜3万円程度

 

自己破産費用の分割払いの可能性

 

多くの弁護士事務所や司法書士事務所では、自己破産の費用について分割払いに応じています。
これは、経済的に困窮している依頼者への配慮であり、自己破産を必要とする人々が手続きを進めやすくするためのものです。

 

 

分割払いの一般的なパターン

 

1. 着手金と分割払いの組み合わせ
- 例: 着手金10万円 + 残金を6回分割

 

2. 全額分割払い
- 例: 総額40万円を10回分割で毎月4万円ずつ支払い

 

3. 月額固定の長期分割
- 例: 毎月2万円ずつ24回払い

 

分割払いのメリット

 

1. 経済的負担の軽減
- 一度に大きな金額を支払う必要がない

 

2. 手続きの即時開始
- 全額を用意できなくても、手続きを始められる

 

3. 柔軟な支払いプラン
- 個々の経済状況に応じた支払い方法を選択できる

 

分割払いの注意点

 

1. 総額の増加
- 分割手数料が加算される場合がある

 

2. 支払い期間中の制約
- 返済が完了するまで免責決定が出ない場合がある

 

3. 滞納のリスク
- 分割払いを滞納すると、手続きに支障が出る可能性がある

 

自己破産費用の分割払いを選択する際のポイント

 

1. 複数の事務所に相談
- 費用や分割払いの条件を比較する

 

2. 詳細な見積もりの取得
- 総額と内訳を明確に確認する

 

3. 支払いプランの相談
- 自身の経済状況に合わせた支払い方法を提案してもらう

 

4. 契約内容の確認
- 分割払いの条件や注意事項を十分に理解する

 

5. 将来の収入見込みの考慮
- 分割払いを確実に続けられるか慎重に検討する

 

自己破産費用を抑える方法

 

1. 司法書士の活用
- 比較的簡単な案件であれば、弁護士より安価な場合がある

 

2. 法テラスの利用
- 収入が一定基準以下の場合、費用の立て替えが可能

 

3. 自己申立ての検討
- 専門家を介さず自分で手続きを行う（ただし、リスクも高い）

 

4. 債務整理の他の選択肢の検討
- 任意整理や個人再生など、状況によっては自己破産以外の選択肢も考慮する

 

自己破産後の生活再建

 

費用の分割払いを選択した場合、自己破産後も一定期間支払いが続きます。
この期間を経済的再建の機会と捉え、以下のような取り組みが重要です。

 

 

1. 厳格な家計管理
- 収支を細かくチェックし、無駄な支出を削減

 

2. 貯蓄の習慣化
- 少額でも定期的に貯金する習慣をつける

 

3. 収入増加の努力
- スキルアップや副業の検討

 

4. 金融リテラシーの向上
- 家計や投資に関する知識を学ぶ

 

5. 債務に頼らない生活設計
- クレジットカードの使用を控え、現金主義の生活を心がける

 

Q&A

 

Q1: 自己破産の費用を分割払いにした場合、免責決定はいつ出るのでしょうか？

A1: 事務所や裁判所によって対応が異なります。
分割払いが完了するまで免責決定が出ないケースもありますが、支払い計画が確実であれば、途中で免責決定が出る場合もあります。
詳細は依頼する専門家に確認してください。

 

 

Q2: 分割払いの回数に制限はありますか？

A2: 一般的な制限はありませんが、多くの事務所では6回から24回程度の分割払いを提案しています。
ただし、個々の状況に応じて柔軟に対応してくれる事務所も多いので、相談時に確認するとよいでしょう。

 

 

Q3: 自己破産の費用を親族や知人に立て替えてもらうことは可能ですか？

A3: 可能です。
ただし、破産手続き開始後に返済すると否認される可能性があるため、手続き開始前に立て替えてもらい、費用を支払っておくことが望ましいです。

 

 

Q4: 分割払いを途中で一括返済することは可能ですか？

A4: 多くの場合、可能です。
むしろ、経済状況が改善した場合は早期の返済を勧める事務所も多いです。
ただし、契約内容によっては手数料が発生する場合もあるので、事前に確認しておくことをお勧めします。

 

 

Q5: 自己破産の費用を支払えない場合、手続きを進めることはできないのでしょうか？

A5: 費用を全く支払えない場合でも、法テラスの民事法律扶助制度を利用できる可能性があります。
また、一部の弁護士・司法書士事務所では、特別な事情がある場合に費用を減額してくれることもあります。
諦めずに相談してみることが大切です。

 

 

豆知識

 

・破産管財人制度
債務総額が1000万円を超える場合や、財産がある程度ある場合には破産管財人が選任されます。
この場合、別途管財人費用が必要になります。

 

 

・簡易破産
債務総額が少額で財産がほとんどない場合、簡易破産という手続きを利用できる場合があります。
この場合、費用が通常より安くなる可能性があります。

 

 

・免責不許可事由
浪費や賭博などが原因で破産した場合、免責が認められないことがあります。
この場合、費用を支払っても債務が免除されない可能性があるので注意が必要です。

 

 

・自己破産と税金
所得税や住民税の滞納がある場合、これらは自己破産では免除されません。
別途、分割納付などの相談が必要です。

 

 

・自己破産と保証人
自己破産しても、保証人の債務は消えません。
保証人への影響も考慮して手続きを検討する必要があります。

 

まとめ

自己破産の費用を分割払いで支払うことは、多くの場合可能です。
主なポイントを以下にまとめます：

 

1. 自己破産の総費用は通常20万円から50万円程度
2. 多くの事務所が分割払いに対応している
3. 分割払いにはメリットとデメリットがある
4. 個々の状況に応じた支払いプランの相談が重要
5. 費用を抑える方法や支援制度もある
6. 分割払い中も経済的再建に向けた努力が必要

 

自己破産は人生のリセットボタンではなく、新たなスタートを切るための手段です。
費用の問題で躊躇せず、まずは専門家に相談することをお勧めします。
適切なアドバイスを受けることで、より良い解決策が見つかる可能性があります。
経済的再建への道のりは決して平坦ではありませんが、一歩ずつ着実に進んでいくことが大切です。
希望を持ち続け、新たな人生を築くためのチャンスとして、自己破産と向き合ってください。